† of Holly~聖の契約





凄絶であった、と言おう。

逃げ回る人々を、ひよこでも狩るように鬼は殺した。

ある者は首をはねられ、ある者は腹に大穴を開けられ、ある者は腕を噛みちぎられ……

赤い燐が桜のように吹き散っている。

燃え盛っていたはずの炎はいつしか、溢れ返った血飛沫によって鎮められていた。

ぺちゃり、ぺちゃりと、土へ染み込みきれない血液がそこかしこにたゆたっている。

棒立ちのまま、私はこの光景を目に焼き付ける。

姉上を死なせた地が、人間が、こんなにも残酷な世界と方法で殺戮を味わわせられている。

なんという――

優越感か。

異常な者どもがあげる断末魔の、なんと小汚なく、醜く鼓膜を震わせてくることか。

頬の弛緩が、止まらない。

「ひ、ひいいああああ……!!」

――と、まだ生きていたひとりの男が私にしがみついてきた。

それは体当たりではなく、助けを求めてくる者の姿勢。

この場で私にすがることがお門違いだとわからない異常者は、唾液を吐き散らしながら嘆願してくる。

「たす、助けてくれ……! お前さんも巫女じゃろう!? あの巫女の妹じゃろう!? 助けとくれよ……!!」

「はい」