何事かと振り返った矢先、乾燥させて固まらせた泥壁を、なにかが突き破ってくる。
粉塵をまといながらごろりと私達のそばへ転がったのは、穴だらけのひとえを着た男だった。
たが、ただの男ではない。
頭の半分は腐り落ち、頭蓋が剥けていた。片目はすでになくなり、だらしなく開いたままの口には、歯が数本しか植わっていない。よく見れば、腕やあばらも肉が削げ、骨が剥き出しになっていた。
それは、明らかに数ヵ月以上前に死んだ肉体。
「っ、おい北のぉ!」
と、南塔が怒鳴った。
「屍なんぞで遊んでおるな! なにをやっておるか!!」
応えるように――転がっていた死体が起き上がる。
立ち上がってみれば、なお異常さが際立つ。
死体には左足首が、そして左腕がなかった。
生きていないそれを……鬼が、操っているのだろう。
「け、け……三つ目のや、三つ目のや……」
と、その死体が喋った。しゃがれた女の声で、ぐちゃぐちゃと動く顎と声が合っていない。
粉塵をまといながらごろりと私達のそばへ転がったのは、穴だらけのひとえを着た男だった。
たが、ただの男ではない。
頭の半分は腐り落ち、頭蓋が剥けていた。片目はすでになくなり、だらしなく開いたままの口には、歯が数本しか植わっていない。よく見れば、腕やあばらも肉が削げ、骨が剥き出しになっていた。
それは、明らかに数ヵ月以上前に死んだ肉体。
「っ、おい北のぉ!」
と、南塔が怒鳴った。
「屍なんぞで遊んでおるな! なにをやっておるか!!」
応えるように――転がっていた死体が起き上がる。
立ち上がってみれば、なお異常さが際立つ。
死体には左足首が、そして左腕がなかった。
生きていないそれを……鬼が、操っているのだろう。
「け、け……三つ目のや、三つ目のや……」
と、その死体が喋った。しゃがれた女の声で、ぐちゃぐちゃと動く顎と声が合っていない。

