† of Holly~聖の契約

見れば、南塔と呼ばれた鬼が、こちらをじっと見ていた。

軽薄に笑んでいる口から、涎か、あるいはこの村で食った人間の血が、たらりと伝っていた。

単なる冷やかしか、それとも私の味でも想像しているのだろうか。

いい加減、彼を少し押しのける。

「それよりも六条殿、お頼みしたものはお持ちいただけたのですか」

「う、うむ、そうか。そうだな」

頷いて、彼は背負っている風呂敷を私の前へ広げた。

彼が包みを解いている間に思ったが、その顔は病的なほどに白かった。

そう、彼も自認していただろう。異常であると。

つまり、異常な白さだった。

からり、しゃらん、と包みの中身が現れる。

金の環を飾り、すらりと伸びた白木の杖。

長い紐に結わえ付けた、数十からなる銀鈴の数珠。

それから、黄土色のひとえだった。

「約束の錫杖と鈴だ。これに間違いはなかろう。一緒に適当な服をかっぱらってきた」

「ええ、ありがとうございます」

姉上からいただいた、私の宝物……。

これで、私は腐り淀んだ煤どもを祓い尽くすことができる。