探偵ロロナのマジカルアイテム𖤐ˎˊ˗

 空から見るマーメイドランドは、大きな貝を広げたようなかたちをしていました。
 海にうかぶ、大きな島。
 そのまわりには、小さな島もぷかぷかうかんでいます。
 ロロナは、いちばん大きな島の白いすなはまに、おりたちました。
 すなはまには、流れついたサンゴや、星のかたちをした貝がらが、おちています。
 それがロロナには、たからものがおちているようにおもえました。
「もしかしたら、魔法道具もおちてるかも……なーんてね」
 そのとき、ロロナが首からさげている、魔法道具のひとつが、ぴかぴかと光りました。
 ネックレスにしている、マジカルペンデュラムが、魔法道具がちかくにあることをしめしたのです。
「うっそー! どこどこっ?」
 いらいにんをさがしにきたはずなのに、ロロナの頭のなかは、すっかり魔法道具のことでいっぱい。
 マジカルペンデュラムの、はんのうをさがします。
 ペンデュラムのぴかぴかの光りが、ビームのように、そのありかを、さししめします。
 すなはまから、少し歩いた、かいがんどおり。
 その、ヤシの木の下に、天の川のような髪色をしたマーメイドが、たおれていました。
 見ると、魚のオビレが、カラッカラにかわいています。
「ちょっと! これは、じけんだよ! たすけてあげなきゃ!」
 たすけおこしたロロナに、マーメイドは、さくらの花びら色をしたオビレをふるわせました。
「だいじょうぶ? 海にすんでいるはずのあなたが、どうしてこんなところに?」
「ありがとう……。まずはわたしを、海につれていって……」
「わかった!」
 ロロナは、魔法道具のひとつ。
 魔法のじゅうたんをつかって、マーメイドを海へとつれていってあげました。
 海水につかったマーメイドは、とてもうれしそうに、わらってくれました。
「たすかったよ。ありがとう。わたしは、タルト。マーメイドランドの海底神殿に、すんでるんだ」
「わたしは、ロロナ。探偵をしてるの! こまってることがあったら、なんでもいってね」
「ほんとう? じつは……とても、こまってるんだ。さがしものをしてるの。さっきもむりやり、すなはまにあがって、さがしものをしてたら、ウロコがかわいちゃって……」
 しょんぼりとうなずく、タルト。
「そっか。だから、マーメイドなのに、すなはまでたおれてたんだね。さがしもの……あっ! もしかして、それって……魔法道具だったりする?」
 さっき、はんのうしていたマジカルペンデュラムのことを思い出す、ロロナ。
「うん。そうなんだ。海底神殿で見つけたの。月にかざすと、むらさき色に光る、きちょうなサンゴなんだよ」
「魔法道具のことなら、わたしはちょっとくわしいよ。まかせて!」
 右手で、むなもとをトンとたたくロロナに、タルトはホッとしました。
「うれしい。おねがいしてもいい?」