帰り際。 部署内に人もまばらなころ、一彩は彰宏のデスクに呼ばれた。 「南」 「はい」 彰宏は夕日を背に、何故か沈黙して考え込んでいる。 美しい顔だ。 これが私のお兄ちゃんになるのか。 なにかもったいない感じだな、と一彩は思う。 だが、彰宏は顔を上げると、深刻な表情のまま、 「……お前の洗脳により、お好み焼きが食べたい」 と言ってきた。 「は?」 いいから連れていけ、と彰宏は言う。