突然、課長と秘密の関係になりました

「できるなら、職場では前の名前を使ってくれ。
 うちの親すぐ別れるから、何度も変わって混乱しないように……。

 ああ、すまん」

 そう彰宏は謝ってくれたが。

「いえいえ。
 うちの親もなんかもう一回騙されてみたいとか、阿呆なことぬかしてましたからね。

 いっときの夫婦関係かも」

 そこで気づいた。

「課長と私、兄妹になるんですね」

「まあ、それも一時的なことだろうがな。
 万が一、親たちが別れなくても、お前もすぐ結婚して出ていくんだろうし」

「今のところその予定はありません」
とむなしい報告をすると、彰宏は、そうか、と言ったあとで、また黙って酒瓶を見ていた。