二人は歩いて行ける場所にある彰宏の行きつけのバーに行った。
家で並べるとこんなに格好良くならないのに、なんでこういう場所だとこんな素敵になるんだろうな、と一彩は壁一面のカラフルな酒瓶を見る。
同じことを考えて、並べ方を見ているわけではないだろうが、彰宏もライトアップされた酒瓶の方を見ていた。
「まさか、お前の教科書真っ二つの母親とうちの父親が結婚するとはな」
「課長も何もご存知なかったんですね」
「よく変わる父親の結婚相手なんて、いちいち気にしてないから――
ああ、すまん」
と彰宏は謝る。
「そういえば、お店の予約の名前、違う人でしたよね?」
それで鴻上と聞いたとき驚いたのだ。



