突然、課長と秘密の関係になりました

 でもまあ、この課長のお父さんもうちの母親と同じで、仕事第一、みたいな人なんだろうから。

 恋愛とか、結婚とか、人生のスパイス程度なのかも。

 子どもたちもみんな独立する歳なんだろうし。

 まあ、いいか、と一彩は結論づけ、とりあえず、食事を楽しむことにした。

 この店は、なかなか予約がとれないと、以前、乾子(かんこ)が言っていたからだ。

 親二人がワインが足りないと追加のワインを選びはじめたので、彰宏と話す。
 
「課長、早くに終わったんですね。
 すぐ来たんですか? 支社から資料」

「ああ……来なくてよかったのにな」
と言う彰宏はこの場には来たくなかったようだった。