突然、課長と秘密の関係になりました

「そうか。
 部長の奥さんがつわりのとき、カレーなら食べられたというので、作ってみたんだが。

 お前、麺類好きだし」

「忙しい中、すみません~っ。
 それなのに、今、惨殺したくなってすみません~っ」

 カレーヌードルの匂いは家中に漂い、なかなか消えない。

「ちょっと外に出るか」
「いや~、ちょっと」

「歩くのは無理か。
 テラスまで運ぼうか。

 車で何処か行くか?」

 一彩は泣きながら、
「ご迷惑おかけしてすみません~っ。
 それなのに、死体を遺棄してすみません~っ」
と謝る。

「お前の頭の中で、どんどん事件が進行してってるが、ほんとうにすまないと思っているのかっ」
と叫ばれる。