夜、一彩がトイレに起きて、マヌケ顔で廊下を歩いていたら、帰ってきた彰宏と遭遇した。
はっ、パジャマにマヌケ顔っ、といつもは気にならないことが気になる。
これは、恋っ?
と立ち止まると、
「どうした?」
と異変を感じてか、彰宏が訊いてくる。
「いえ。
こんな状態で課長に会うのが恥ずかしいとか、恋かな、と」
と言って、彰宏に、ぱふっと脳天をはたかれる。
手にしていた郵便物でだが。
「無理やり恋にしようとするな。
俺に対して、なにか悪いとでも思っているのかもしれないが。
俺が勝手に好きになったんだ、気にするな」
彰宏はそう言い、さっさと自分の部屋に入ってしまった。
無理やり恋にしようとするなと、今、おっしゃいましたかっ?



