「一彩、あんた、今日、車にすごいイケメン乗せてなかったっ?」
職場に着いて、仕事をしていると、令美がやってきて、そんなことを言う。
課長席まで聞こえたらしく、彰宏が顔を上げ、
おい、仕事しろ、という目でこちらを見ていた。
「すごい視力ですね。
あれは兄です」
「そういえば、似てたわっ」
「ロクでなしなんで、紹介はしませんよ」
と仕事の手を止めずに答える。
「目の保養に見たいだけよ。
わたしの本命は黒須くんだからっ」
いや、めっちゃ蛇行してましたよね、と思いながらも、令美を見上げて訊いてみた。
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