「私、その見知らぬ兄弟の人と、ヤギについて、なにを語り合ってたんですかね?」 自分たちの部署に向かって歩きながら、一彩は彰宏に訊いてみた。 「ヤギは今の紙を食べられないって話になって。 『お前が、和紙ならどうですか?』 と言って、 『どうにかして食べさせようとするな……』 と言われていた」 「そうですか……」 で、結局、その人はなんて人なんですか? と思ったが、彰宏はそのまま行ってしまった。