週末の朝、何故かいきなり、一征がピザ窯を運んできた。
彰宏は庭に煉瓦を運びはじめる一征に、
「断りもなく、持ってくるなよ」
と最初は言っていたのだが、手伝っているうちに楽しくなってきて、二人でせっせとピザ窯を作り。
そのうち、浩司も帰ってきたので、みんなでピザを作る。
「焼けたぞっ」
「ちょっと焦げてるんじゃないか?」
「このくらいが美味しいだろう」
「ん?
一彩は?」
彰宏は庭とそこからつづいているリビングを見た。
庭のテーブルでドイツビールを呑んでいた昴が、
「一彩ちゃんなら、友だちの家の犬を見に行くって出て行ったよ」
と言う。
「そんなっ、一彩に焼きたてのピザを食べさせたかったのにっ」
と一征は打ちひしがれていた。



