下で散々騒いで呑んで、
この家にいると、いつでも宴会できるからいかんな……と思いながら、一彩は二階に上がった。
すると、反対側の階段から彰宏が上がってきた。
思わず、目が合う。
「あの」
と一彩は話しかけていた。
「兄妹じゃなかったから結婚してくれとおっしゃいましたが、兄妹だったらどうするつもりだったんですか?」
普段なら勇気がなくて訊けなかっただろうことが、今は訊ける。
ありがとう、酒!
と一彩は酒に感謝していた。
そんな一彩の前で、俯きがちに彰宏は言う。
「もし、兄妹だったら?
……なにも言わないつもりだった」
課長……。



