突然、課長と秘密の関係になりました

 あの……、私の立場は。

 もしや、母の少女的恋心により、私、昴さんの子だと思われてました?

 ほんとうに好きな人の子どもだといいな、みたいな。

 慌てて、彰宏が言う。

「あ、すみません。
 俺と一彩が兄妹じゃないって調べただけで、父さんの子かどうかは調べてません」

 どちらかが昴の子である可能性は、まだある。

 どちらも昴の子でない可能性も多分にあるが……。

「今すぐ調べてっ。
 いや、調べないでっ」

 どっちですか、母よ……。

 そんな感じにわちゃわちゃしていたが、忘れやすい朱鷺子は、みんなに、まあまあ、と酒をついでもらって、呑んでいるうちに、上機嫌になり、

「まあ、どっちでもいいわね。
 私、今の暮らしが一番好きよ」
 などと言っている。