突然、課長と秘密の関係になりました




 最近、課長、なんだか落ち着きがないな。

 朝、昴が焼いてくれたトーストを食べながら、一彩は、チラ、と彰宏の様子を窺う。

 昼、リラクゼーションルームで一緒になったので、ついに、

「課長、どうかしたんですか?」
と訊いてみた。

 そこになにが映ってるんですか、と問いたくなる感じに紙コップの中の珈琲を凝視していた彰宏が、
「もうすぐ俺の命運が決まる……」
と呟く。

 なんなんですかね?
と一彩は、彰宏の隣に座っている、彼の同期の小田に視線で訊いた。

「人事異動じゃない?
 そろそろだし」
と小田は言ったあとで、

「えっ?
 お前、まだ出世する気っ?」
と彰宏に訊いて、

 は? と言われていた。