一彩は彰宏が開けっぱなしの一彩の部屋の前に立ち、ぼんやり中を見ているのに気がついた。 「どうしたんですか? 課長。 中入ってもいいですよ」 と言いはしたものの。 まあ、いつも漫画とりに入ってるよな、と思う。 その彰宏が何故か、遠慮がちに部屋を覗いている。 なんだろうと思いながら、一彩は先に中に入り、電気をつけた。 彰宏は本棚を見ていたようだった。 いつもみたいに中入ってみればいいのに、と思っていると、 「ないな」 と言う。 「は? なにがです?」