その週末、この間旅に出た友人たちと食事に行った。
隠れ家的なレストランで、全部個室になっているので落ち着く。
楽しく旅の思い出話をして笑いながら、
「あ、ちょっとお手洗い」
と廊下に出た一彩は足を止めた。
向こうから、彰宏が歩いてくるところだったからだ。
彰宏も、はっとした顔で歩みを止める。
「……ス、ストーカーじゃないですよ」
一彩は思わずそう言っていた。
彰宏は今来たところのようだし、こちらはもう宴も半ば。
どちらかと言えば、彰宏の方が追ってきた感じなのだが。
これだけのイケメンで、あれだけのエリート様。
つけ回す女性もいるかもしれないと思い、一応、そう言っておいたのだ。
すると、
「彰宏ー」
と言いながら、彰宏の友人らしきイケメン様が入ってくる。



