突然、課長と秘密の関係になりました

 他のマッサージチェアは空いていない。

 目を閉じ、ゆったりとマッサージチェアに癒されていたらしい彰宏は、なにかの気配を感じたように目を開けた。

 こちらを見て、驚いた顔をする。

「またお前かっ」

「それは……」

 おっとっ、課長に向かって、それはこっちのセリフですよ、と言うところだったっ。

「お、お疲れ様です~っ」
と言って、一彩はマッサージチェアを諦めて逃げた。

 だが、そのあと、漫画コーナーでまた遭遇する。

「お、お疲れ様ですっ」
と馬鹿の一つ覚えのように言って逃げるとき、後ろで彰宏が、

「……もういっそ、運命なのか?」
と呟く声がしていた。

 なんの運命なんですか?

 イラつく部下に出会う運命?