やちゃこ

罪人たちは、何百年も何千年も暮らしている。山の中で。この山には、やちゃこという、打ち手の小槌がある。その打ち手の小槌は本物のやちゃこ、だけが何でも3枚でも4枚でも5枚でも6枚でも1個でも2個でも3個でも、1台でも二台でも3台でも4台でも何でも何でも出すことができる。欲望の限り。ただやちゃこは欲望の限り使っていると、どんどんどんどん山の上のほうに上がっていくと言うことがわかっている。そして山の1番てっぺんにいる罪人は、本物のやちゃこを持っていないのは、もちろんのこと、地上にもなかなか、帰れない。すぐには帰れない。稀に水田と言われる罪人がいる。この罪人は水の中で生活をする。特に殺人などを犯した罪人で、仕事をすると山に帰れるという伝説がある。ちなみに僕は水田だ。ある日、相棒の水田が、仕事を頼まれた。昔からの恩師の仕事らしい。相棒の水田は、手際よく水中の中でその仕事をする。ザクザクとザクザクと紙を切りテストを作るのだ。これは地上の罪のない子供たち罪が学校で使うテストなのだ。水田は一気に100万部作り上げた。そして水中から出ようとする。僕は1部しか作れなかったが、必死に水中から出る。やっとの思いで水中から出ると相棒の水田はどや顔で僕を見た。いやよくやってくれたなぁ。仕事担当の吉田と言う男が来る。相棒の水田くんは100万部でこっちの水田君は1部か。わかった。相棒の水田くんには100万部のやちゃこをやろう。そして君には1つだけ、やちゃこをやろう。僕はそれでもありがたかった。そして3人で学校に納品することになった。なんだか懐かしい学校だ。僕はここに勤めていた気がする。何度も何度も勤めていた気がする。
やめては勤め、やめては、勤め。
入り口左手の文具店には、何冊も何冊も積み上げられた新刊の小説が置いてある。これも何回も何回も書いた気がする。そして何回も何回もボツになった気がする。そんなことを思いながら山に帰された。僕たちは仕事をしたということで、山の中伏あたりに住まされることになった。ここは整形を繰り返す女やセックスに狂った男や、変顔の男女が夜な夜なセックスを繰り返す。
ここは色恋沙汰で殺人になった最もタチの良い連中が集まる。中伏の山だ。
仕事担当の吉田に言われた。
寝てる時にこいつらは、セックスを繰り返すが、決して見てはいけない。
ぜったいに見るな。
見てみてはいけない。見たら、ズルズル引き込まれるぞ。
僕は怖いなと思った。1日目の夜が来た。
なかなか寝付けなかった。
喘ぎ声や挿入される音くちゃくちゃパンパン聞こえてくる。眠い…
しかし、寝付けない…
僕は、起きるの我慢して必死に目をつぶった。
3日目4日目がたち、1週間経った時さすがに僕も性欲が湧いてきた。うすうす目を開けてみた。
すると整形を繰り返す女がこちらを見た。僕はセックスしてる整形の女の相手の男にわからないように1部のやちゃこを取り出し、小さくお金と呟いた。女には2というピースマークの指合図をし触っていいか?って言うジェスチャーをした。そして触る、まず胸を触る。そして、胸を触りながら股を触り、自分で射精した。男は知らぬまま、その整形の女とセックスをしていた。
2週間が経った。ある時、男が僕が女に触ってることに気づいた。男は俺にも金をよこせと言った。わかった。お前にも2やるとジェスチャーすると、男は喜んで20,000円もらって森の奥に消えていった。森の奥にはネオン街、主に性風俗店があるらしい。
整形の女が不満そうだったので、整形の女には50,000円渡した。そして円満に解決したと思われたが、目覚めると僕のやちゃこがない。ある日、目覚めると僕の本物のやちゃこがなくなっていた。罪人は山の麓まで降りようと思うっても、着くまでに1週間はかかる。
山の中伏の森に引っ越しをする女がいると言う噂を聞いた。僕はもしかしたらあの整形の女かと思い、引っ越し業者を訪ねて行った。すると刑事が来ていた。危ない刑事のタカアンドトシのバッタモン。
こいつらも何でも何年も繰り返し繰り返しやちゃこをふり転生することで顔も形も変わっていったんだろう。
そのバッタモンが、整形の女のバッタモン女を案内している。
もう整形の女はやちゃこを使ったのかもしれない。
すると、女が連れていた男が死んでいるのが見つかった。
なんでだ?
後ろつけるとどんどんどんどん死んでいっている。
物件を探している最新の男と女だけが生きている。
つまりだ。
整形の女は男を何回も何回も、殺して、で、何回も、何回も、甦らせているだけなのだ。
僕はここにいては危ないと思った。もう少し上に登らななければと、逆の発想で上へ、向かった。
上には、ジャンプのバッタモンやマガジンのバッタモン、いろんな雑誌のバッタモンがあった。まぁまじのバッタモン。
でもまぁマガジンのバッタモンでも最新のバッタモンが読めるんだから、本物の絵なんて関係ないかと思い読んでいた。
楽しく読んでいた。
はじめの1歩のバッタモン。
ワンピースのバッタモン。
ドラえもんのバッタモン。
コナンのバッタモン。
バッタモンなので、ちょっと絵が雑だ。だけどストーリーはわかるし面白い。
なんだか罪人だった前の世界みたいだなぁ…
CDはコピーすればコピーするほどできるし、世の中コピー物で溢れている。
1個オリジナルがあればその他コピーでまかなえる。
羊のクローンも一緒だ。
人間のクローンだっていたのかもしれない。
そう思えば、偽物もニセモノの世界で楽しいもんだと思うようになり毎日バッタモンの漫画を読んで暮らすようになった。
僕はもう罪人じゃなかった頃の僕の体ではなかった。ぶくぶくと太り顔も、醜く、原型すらなかった。それから、何100年何1000年経ったかわからない。もうすぐガラガラドンが来るぞと言う噂が流れた。ガラガラドンとはなんだ。どうやら罪を一気に解放する儀式らしい。
ただガラガラドンには、雷の音が鳴るのだが、その雷がエフェクトがかかってる雷なのか、本物の雷なのかを見分けなければいけない。しかも地上からなるというのだ。
毎日ガラガラドンがなる。本物のガラガラドンなのか偽物なのかわからない。僕は罪人の前、唯一耳だけがよかった。やちゃこは、とられた。今頼れるのはこの耳しかない。ガラガラドンが毎日なる。1週間続く。2週間続く。3週間続く。4週間目と3日経ったある日雷の音がなった。僕はこれはガラガラドンだと思った。
すると周りの罪人も一斉に地上に終わり始めて走り始めた。僕はその頃にはてっぺん近くにいたので引けを取ってはいけないと思った。思いっきり地上に向かって走る。富士山の頂上から裏道を一気に下るように。
すると、右斜め後ろに和尚の姿があった。和尚は何の罪を犯したかわからないが、和尚がいたので、間違いないと確信した。
なぜか?
その和尚は、てっぺんにいたにもかかわらず、本物のやちゃこを一つだけ握りしめていたのだ!
僕は一気にガラガラドンのほうに目がけて走っていった。そして地上に降りたった。
地上には滑り台が2つ止まっていた。
どっちの滑り台かかは、わからないが、本物の滑り台を滑ると、現生に帰り、元の体に戻れるらしい。右か左か迷った。左の滑り台には懐かしの悪友ににている人間が手を振っている。
右にも誰かに似ている人間がいる。
僕は懐かしの悪友の方が顔がまだレプリカじゃないような気がした。何度も再生した顔じゃない気がした。一方、右手は相棒の水田のようだった。
相棒の水田は、あれから何度か再生しているらしく、顔がかなり変わっていた。かっぱのような顔になっていた。僕は水田について行ってはいけない。左の相手だ!と左の滑り台を滑った。正解だった。あの水田がいる右の滑り台では、くるくるくるくる地上に降りて行く途中で、「滑りすぎると落ちちゃうぞ!」と言う声が聞こえる。「あっぶねーだろっ!」と怒号が響く。僕はそっとそっと滑った。危なかった。あの右の滑り台に乗ってたら勢いでまた罪人の山に帰らされるところだった。
何とか地上につくと、僕は、あの滑り台で体の油が、全部なくなっていることに気づいた。顔もすっきりスマートに戻り、体もすっきり。スマートに戻り、体のドロドロとした油もない。
つやつやの生まれたての体。
僕はその体をがっちりと誰かが渡してくれたタオルで拭き目を覚ました。
もう罪は犯さない。