そして放課後。
教室を出ようとしたとき、背後から声がかかった。





「ここね先輩っ!」





振り返ると、空翔くんが息を切らして駆け寄ってきた。





「これっ! この前、教えてもらった“メモの魔法”、あれ、やっぱすごかった!」





元気に話すその姿に、ここねは微笑んだ。


パレットの店番はもう終わったけど——
“自信”という魔法は、確かにここねの中に残っている。


わたしは、もう、“誰かにならなきゃ”って思わなくていい。


そのままの自分で、笑っていていい。
悩んでも、迷っても、また進めばいい。