視線を滑らせた先に、ころんとした瓶が目に入った。
トーストにのせるジャムみたいな見た目の、それは。
「ねばりノリ……?」
手に取ると、ぽすっと軽い音がした。
ラベルには小さく、こう書かれている。
“続けたい”の気持ちに、そっと寄り添う糊。
一度くっついた気持ちは、なかなか離れない。”
「じゃあ、これはどうかな?」
「なんでスカ!」
「『ねばりノリ』っていうの。
これを使うとね、やりたいことを続けたいって気持ちに、ちょっとだけ“ねばり強さ”をくれるんだって」
「ねばりノリ……!?この“ねばり”って語感、もはやたこ焼きの生地じゃん……!あれって混ぜ方が命なの、知っててこの商品を!? これはもう……運命だ……!」
「いや、それは偶然だけど……」
こじつけもいいところだ。
こんな”たこ焼きオタク“、はじめて出会った。



