魔法文具屋で、“わたし改革”はじめます!





「この“パレット”はね、“魔法を届ける”だけじゃなくて、“魔法をつなぐ人”が現れたときに、ほんとうの意味で力を持つの」

「……魔法を、つなぐ人……?」

「うん。たとえば、誰かに優しくしたくなる気持ち。
誰かの悩みに、そっと寄り添う力。
それを“文房具”という形で渡せる人。
この店が現れたのは、たぶん……ここねちゃんに、出会いたかったから」





ここねは目を丸くした。





「わたしに?」

「うん。ここねちゃんは、“魔法文具屋”の店番じゃなくて、“魔法をつなぐ人”だったんだよ。
ただ商品を渡すだけじゃなくて、その人のことを本気で考えて、言葉を届けて。
その魔法が、ちゃんと届いていたから——このお店は、次の場所へ進めるの」





ここねの胸に、言葉がすっと入ってくる。
心の奥で、ポン、と灯りがともるようだった。





「……わたしが、つないだ魔法。
ほんとに、届いてたんですね」





店長は笑ってうなずいた。





「うん。そしてね、ここねちゃんがいなくても、みんなもう、自分で“ちいさな魔法”を持って歩いてる。
今度は、ここねちゃんが“自分の魔法”で進んでいく番だよ」

「……はいっ。行ってらっしゃい、って言うより、私も新しい道を歩かなきゃですね」





小さく、でも確かに。
ここねは笑った。