放課後の教室。
窓の外は、オレンジとピンクがまざりあった夕焼け空。
でも、みのりちゃんの机のまわりだけ、しんと冷たい空気が流れてる気がした。





「……また、だめだった」





小さな声でつぶやくと、みのりちゃんは顔を伏せたまま、机に突っ伏してしまった。


手元に広げた作文用紙。
先生の赤いペンで書かれた「もっと前向きに」というコメントが、紙の上で真っ赤に目立っていた。


ここねはそっとみのりちゃんの隣の席に腰掛ける。


みのりちゃんは、前にパレットに来てくれて、
そのとき『応援メモ帳』を渡した。
少しずつ前を向こうとしてくれていたはずなのに……。





「ここねちゃん……。わたし、せっかくがんばったのに……」


かすかに震える声。





「うん、がんばってたの、知ってるよ」


ここねはできるだけ優しく声をかけるけど、みのりちゃんは首を振る。




「でも、先生にまたダメって言われて……なんか……書くのが怖くなってきた。
……わたし、何やってもダメかも」





その言葉に、胸がきゅっと痛くなった。
前に渡した文房具で、少しは前に進めたと思ってたのに……。