2ページ目を読み終わったとき、スカートのポケットの中で、スマホが震えた。
自分の”可愛い“を突き詰める、高校生のお姉さん——わたしの、2人目のお客さんからだった。
SNSでのメッセージが届いていた。
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「この前は本当にありがとう。
あのインクで書いた“自分ほめことば”、今でもお守りにして持ち歩いてるんだ。
落ち込みそうなときは、こっそり取り出して読んでる(笑)」
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それだけでも胸があったかくなるのに、続けて送られてきたのは——1枚の写真。
画面いっぱいに写ってたのは、以前よりもずっと自然体で、ふんわり笑ってる彼女。
キメすぎたポーズじゃない。
バッチリ盛ったフィルターもない。
でも……すごく可愛い。
服も、メイクも、前より“自分らしさ”がにじんでる気がする。
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「最近はね、“他人ウケ”より、“わたしウケ”を大事にしてるんだ。
加工で盛るより、ナチュラルな自分を好きになりたくて。
前より、自分のこと、ちょっとだけ好きになれてきた気がする!」
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ここねはスマホをぎゅっと握りしめて、にやける顔をごまかすように視線を手帳に戻した。
——『周りの言葉も大事だけど、”自分の可愛い“も大切に。そうすると、もっともっと可愛くなれるって、気がついた。』
わたしも、誰かに見せたい自分でいられるようになりたいって……あのとき、思ったんだよね。
ここねは、手帳をぎゅっと抱きしめた。
心の奥に、ぽっと火がともったようなあたたかさが広がる。


