魔法文具屋で、“わたし改革”はじめます!






「で、ですね…ここね先輩にも、これ1枚、書いてほしいなって」

「え?」

「“ここね先輩のこと、もっと知りたいな”って、思って」





空翔は真正面からそう言った。
ここねは、思わず目を逸らす。


この子……無邪気すぎる。
なんだか、ドキドキしちゃう。





「じゃあ、1枚だけね」

そう言いながら、ふせんを受け取る。





「うぉぉ〜!やったー!」





嬉しそうな空翔くんを見て、ふっと、胸の奥があたたかくなる。


——ラップ調の文房具も、優しすぎるペンも、紙吹雪まき散らすハサミも。
このお店にあるものって、少しずつ人の“素直”を引き出してくれる気がする。


そしてそれは、空翔くんも——たぶん、自分自身も。


その日の帰り道。
ふせんに書いた「自分のすきなところ」を見つめながら、ここねは思った。


誰かに見てもらえると、ちょっとだけ、自分を認めたくなるんだな。


空翔くんと出会って、言葉をかけられて、文房具に背中を押されて。
まだ“好きになりたい自分”には遠いかもしれないけど、
……でも、ちょっとずつ、近づけてる気がする。