「なんか……全部、めっちゃ刺さったんすよ……!特に最後のやつ……」
空翔くんは、ちょっと照れくさそうに笑った。
「最近不調だったんですけど、練習のときこのメモ帳の内容を思い出したら、気持ちが落ち着けて!
試合形式での練習、絶好調だったっす!」
「すごいっ!それ、メモ帳パワーかも……」
「ていうか、ここね先輩にもオススメっすよ。これ、マジで効きますから!」
「え、わたしも?」
「ここね先輩、たまにめっちゃ考えすぎて、ぐるぐるしてそうだから」
「……図星すぎる」
なんでわかるの?
首をかしげたここねに、空翔がニカッと笑いかける。
「オレ、ここね先輩が、迷いなく笑ってる顔、もっと見たいっす」
「……!」
一瞬、心臓がぴょこんと跳ねた。
けれど空翔はまるで犬のように、無邪気な笑顔のままだ。
「あ、今日も何か文房具見てっていいっすか!?今度は、勉強用のやつ!」
「う、うん、いいよ。今日も待ってるね。……じゃあ」
ここねはちょっと顔をそらしながら足早にその場を去った。
その頬はほんのり、桜色。
自分でも知らなかった気持ちが、ほんの少しだけ、顔に出ていた。
——“自信ある顔”って、自分じゃわからないけど。
でも、誰かにそう言ってもらえると……ちょっとだけ、信じてみたくなる。


