次の日の放課後。
ここねは先生に頼まれたノートを集めて、職員室へ向かった。
ふと、窓の外の校庭を見ると——空翔くんがいた。
サッカー部での練習をしているようだ。
小柄な彼は、ドリブルをしながら華麗に敵をかわし、その先で蹴ったボールは、見事ゴールのネットを揺らした。
すごい…!空翔くん、あんなに上手なんだ…!
しばらく空翔くんの練習姿をながめていると、休憩に入ったのか、飲み物を飲みに来たときに、ここねに気がついた。
「ここねせんぱーい!」
「ちょ、そんな大声で……!みんな見てるじゃん……」
「なんでっすか?」
みんなが、知り合いだったんだ、みたいな顔で見てくる。
でも空翔くんはお構いなしに話しかけてくる。
「そんなことより、昨日もらったメモ帳、めっっちゃ効いたっす!!」
「え、うそ……ほんとに?」
「ほんとほんと!マジでこれ、心にグッてきたっす!!見てくださいよこれ!!」
と、空翔くんが見せてきたのは、1枚目のメモページ。
《試合が近いから、ちょっと緊張してる。でも、絶対負けたくない試合だから、全力でやりたい!》
と書かれていた。
「で、そのあとに出てきた応援メッセージが——」
と、空翔くんが読み上げる。
【やる気系】:
「お前はできる!走れ、蹴れ、ぶち抜け!!全力以外禁止!!」
【甘やかし系】:
「大丈夫大丈夫!ミスったってカッコいいし、帰りにアイス食べれば全部OK☆」
【ガチ励まし系】:
「誰かと比べなくていい。自分の今日に全力出せ。それだけで、ちゃんと強い。」


