魔法文具屋で、“わたし改革”はじめます!





「店員さん、紙、ついてるっす」




空翔くんはそう言いながらここねに近づき、髪についていた紙切れをとった。
ふいに近くなった顔に、ちょっとおどろいた。


まだ成長期がきてなさそうな彼の身長は、ここねと同じくらいの高さ。
逆に顔の距離が近くて、緊張する。


そしてなんか……じっと見られている。
紙、取り終わったのに。


視線がしばらく交じり合ったと思いきや、ニカッと空翔くんが笑った。





「ここの空間、すげー楽しいっす!しかも店員さん、めちゃくちゃ可愛いしテンションあがる〜!」

「か、可っ……!?なっ、なに言ってんの、突然!」





ここねは真っ赤になって、あわてて目をそらす。


チャラい。……わけではない。
無邪気にはしゃいでいるだけだ、空翔くんは。


空翔くんはまったく悪びれず、店内をぐるりと見渡して興奮気味に言った。





「オレ、こういうお店、めっちゃ好きっす!なんか、全部がワクワクする!なんか変なペンとかあります?しゃべるやつ!動くノートでもいいっす!」

「変なペンって……もう、落ち着いてよ……」





にぎやかすぎる来店者に、ここねは苦笑しながらも、どこか心がふっと軽くなるのを感じていた。
この子は、まるで嵐みたいだけど……なんだか、一緒にいると、自分のことをちょっと好きになれる気がする。