次の日、昇降口の掲示板に貼ってあったのは、やたら気合いの入った手書きのポスター。
《たこ焼き研究部 仮入部受付中!!!》
※鉄板は持参。愛と覚悟のある人のみ歓迎。
マーカーで全力筆圧。文字は踊るように歪んでいて、「たこ焼き」の“焼”の字だけ二重線で修正されてた。
ほんとにやるんだ。
なんかもう、すごすぎて笑ってしまった。
でもちょっとだけ、その行動力と大胆さがうらやましかった。
昇降口から外へ出ると、なんだかたこ焼きのいい匂いがした。
匂いをたどると、調理室にたどり着いた。
窓からのぞき込むと、昨日の”たこ焼きオタク“くんがいた。
一心不乱にたこ焼きプレートの前に立っている。
エプロン姿で、眉間にしわを寄せながらも、手際よくたこ焼きをくるくると返している。
すごい…!とってもスムーズ!
何より、顔が真剣で、どこか楽しそうだった。
“好き”にまっすぐな人って、キラキラしてる。



