『………な』



『せ……』




ふわ、ふわ。



なんだろう。すごくあんしんする。



だれかに、なでられているきがする。



……なでる?




『刹菜』




……それって、なんだっけ。




『……め……せ……』




わ、たし、は…………どこに…………。




「んー……」



「起きた?」




だれかのこえがきこえた。



ふわふわと、まだあたまをなでられている。



……ねむくて、まだあたまがまわらない。



そこにいるのはだれだ……?




「……あーくん?」



「…………あーくんって誰?」




返事が聞こえたけど、まだ頭がぼんやりしていてわからない。



私は寝返りをうってむにゃむにゃしながら言った。




「んー、だめだよ、わたしたち、また………………」



「……」




そうして最後まで言えないまま、またねむりにおちようとすると。




「だーれと勘違いしてんの」


「んあ……?」




ぺちっ、と頬を叩かれて気づく。



私、こんなふかふかな場所で寝てたっけ……?



違う、私は床の上で毛布にくるまって、窓の隙間からの風に耐えて寝てたはず。



いやでも今は手枷でその隙間がなくなって風は入ってこなく……手枷?