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『クソが、あの男……!』




その人は、ダンッと拳をそばにある台に叩きつけた。




『忌々しい真似を……!隔壁を降ろせ!奴らをこいつらに触れさせるな!』




私はただ怒っている彼を見つめて、言葉を分析して。



招かれざる客が来たのだ、ということだけを把握した。



でも――そのときだ。



私の思考に、その考えが浮かんだのは。



『……あーくん』



『刹菜?』



『ふしんしゃさん、来たんだよね?」



『そう、みたいだな』




小さい声で、ひそひそ。



いつもはすぐ「なにを話しているんだ?」って聞いてくるのに、今回ばかりは誰も、私たちの会話に気づかなかった。



誰もがその、「ふしんしゃ」ばっかり見てたから。




『なら、私たちは――』



「ふしんしゃ」は、彼らにとっては邪魔なのだろう、だから。



私たちにも、とれる行動があったのだ。





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