ピカピカの制服に腕を通し、私は車に乗って学校の最寄り駅に向かった。



高そうなブラシで髪を梳かし、ヘアーオイルもつけてみたりして、用意の時間はとっても楽しかった。



…………はあ、やばいな。嬉しすぎる。



まさか自分もヘアオイルとかつけることができるなんて思ってなかった。



朝早く起きてバイトして、それから学校に行って、バイトして、バイトして。



それなのにものもろくに食べれない生活をずっと送るものだと思っていた。



あの超絶貧乏暮らしを始めてから、何年だったっけな……?




「到着しました」



「!ありがとうございます!行ってきます!」



「お気をつけて」




私は思考を隅に追いやり、胸を張って新しい一歩を踏み出した。



昨日とは全然違う一歩を。



そう、今日の私は今日の私だ。



新しい私を愛していこう。



新鮮な空気を肺いっぱいに吸い込んで、私は学校に向かうのだった。