「マナちゃんは気づいてないよ。あの子、鈍感だから。後つけてたときも、よく分からずついてきてたし」
最初は、興味本位だったらしい。わたしがアクアちゃんやカナトくんと一緒にいるのが、気に入らなかったって。
でも、黙っててくれた。魔法のことも、水泳競争のことも。
本を持って、小さく息を吸う。
避けられたり、悪口を言われて嫌だった。りっちゃんのこと、キライだって思う時もいっぱいあったけど。
ーー見えてるものを見えなくしたり、その逆もあるわ。
波木さんの言葉を思い出す。
ほんとに、その通りだった。決めつけないで、ちゃんと見ようとしないと真実にはたどりつけない。
「臨海学校のことは、自分で、ちゃんと話すつもり。りっちゃんと話せて、ちょっとだけ、勇気でたよ」
図書室のドアがガラッと開いて、二人の女の子が入ってきた。カウンターのとなりに立って、オススメの本コーナーを見ている。
ここにいたら、邪魔になるかな。
りっちゃんは口を閉じたまま、図書委員の仕事を続けている。
さっきの言葉に返事はなかったけど、ホッとしているように感じた。心なしか、くちびるが笑っているみたいだったから。
最初は、興味本位だったらしい。わたしがアクアちゃんやカナトくんと一緒にいるのが、気に入らなかったって。
でも、黙っててくれた。魔法のことも、水泳競争のことも。
本を持って、小さく息を吸う。
避けられたり、悪口を言われて嫌だった。りっちゃんのこと、キライだって思う時もいっぱいあったけど。
ーー見えてるものを見えなくしたり、その逆もあるわ。
波木さんの言葉を思い出す。
ほんとに、その通りだった。決めつけないで、ちゃんと見ようとしないと真実にはたどりつけない。
「臨海学校のことは、自分で、ちゃんと話すつもり。りっちゃんと話せて、ちょっとだけ、勇気でたよ」
図書室のドアがガラッと開いて、二人の女の子が入ってきた。カウンターのとなりに立って、オススメの本コーナーを見ている。
ここにいたら、邪魔になるかな。
りっちゃんは口を閉じたまま、図書委員の仕事を続けている。
さっきの言葉に返事はなかったけど、ホッとしているように感じた。心なしか、くちびるが笑っているみたいだったから。



