「じゃあ、いくヨ〜! ワン、ツー、スリ〜ッ! キララ〜ン♪」
アクアちゃんの掛け声に合わせて、アイスクリームに液体をポタリと落とす。
ミント、パープル、スカイブルー。それぞれのボトルに、虹色のエッセンスが入っているの。
「ウ〜ン、イイ香りダネ」
クンクンと鼻を動かして、アクアちゃんがアイスクリームをパクリと食べる。
わたしとカナトくんも、スプーンですくって口へ入れた。
「おいしい。これ、お花だ。ローズのにおいがする」
「こっちは……寿司だな。あぶりサーモンの味」
「ウゲェ〜! それ、オイシイのぉ〜?」
「うまいよ」
【妄想エッセンス】を使うと、どんな食べ物でも、思ったとおりの味に変わっちゃうんだって。
ただのバニラアイスが、ローズやお寿司になるんだから、魔法アイテムってやっぱりすごい。
臨海学校が終わって、八月になった最初の土曜日。おめでとう&おつかれさま会をしようと誘われて、波木さんの家へ集まっている。
カナトくんの様子は、いつもと変わらない。わたしが半分も泳いでいないこと、アクアちゃんは話していないんだろう。
「次はたこ焼き味にするか。うん、悪くないな」
カナトくんがエッセンスに集中している間に、コソッとアクアちゃんに耳打ちする。
「あ、あのね、沖合水泳競争での、ことなんだけど……」
どう説明したら、イヤな気持ちにさせないで伝えられるか。相談したかったんだけど。
「ン? ナニカあったっけぇ〜?」
ポカンとして、アクアちゃんは首をかしげた。
スプーンをくわえながら、左右に揺れている。
助けてくれたことを忘れている。というか、なぜか記憶から消えているみたいなの。
アクアちゃんの掛け声に合わせて、アイスクリームに液体をポタリと落とす。
ミント、パープル、スカイブルー。それぞれのボトルに、虹色のエッセンスが入っているの。
「ウ〜ン、イイ香りダネ」
クンクンと鼻を動かして、アクアちゃんがアイスクリームをパクリと食べる。
わたしとカナトくんも、スプーンですくって口へ入れた。
「おいしい。これ、お花だ。ローズのにおいがする」
「こっちは……寿司だな。あぶりサーモンの味」
「ウゲェ〜! それ、オイシイのぉ〜?」
「うまいよ」
【妄想エッセンス】を使うと、どんな食べ物でも、思ったとおりの味に変わっちゃうんだって。
ただのバニラアイスが、ローズやお寿司になるんだから、魔法アイテムってやっぱりすごい。
臨海学校が終わって、八月になった最初の土曜日。おめでとう&おつかれさま会をしようと誘われて、波木さんの家へ集まっている。
カナトくんの様子は、いつもと変わらない。わたしが半分も泳いでいないこと、アクアちゃんは話していないんだろう。
「次はたこ焼き味にするか。うん、悪くないな」
カナトくんがエッセンスに集中している間に、コソッとアクアちゃんに耳打ちする。
「あ、あのね、沖合水泳競争での、ことなんだけど……」
どう説明したら、イヤな気持ちにさせないで伝えられるか。相談したかったんだけど。
「ン? ナニカあったっけぇ〜?」
ポカンとして、アクアちゃんは首をかしげた。
スプーンをくわえながら、左右に揺れている。
助けてくれたことを忘れている。というか、なぜか記憶から消えているみたいなの。



