魔法のマーメイドクラブ

 ものすごいスピードで、波を起こしている。イルカに乗っているような、まるで夢でも見ているみたい。
 何が起こったの?

 ふと、海の中へ目をむけた。黄金の髪が、海藻のようにゆらゆらしている。
 この景色を見たことがある。小さい頃、海で溺れたとき……あれ?
 この金髪と白い肌。神様の幻と重なったのは、さっきまでレースに出ていたアクアちゃんだ。
 ハッとして後ろを見ると、キレイな尾びれでゆうがに泳いでいる。

「アクアちゃん、この姿……!」

 みんなに見られていないかと、まわりを見渡すけど、かなり遠くに引き離されていた。
 すごい……、誰もいない。

「プハッァッ、だいじょうぶ! 気にしナイ気にしナイ♪」

 こっそり抜けてきたからいいのと聞いて、少しだけホッとする。
 危険をおかしてまで、わたしを助けにかけつけてくれたんだ。嬉しくて、ジーンと涙がでてくる。

「ミイちゃんのピンチ、かけつけるに決まっテル! だって、だいじな友ダチだもん♪」
「ありがとう」

 アクアちゃんの背中は、細いのに力強い。
 もしも、アクアちゃんが困っていたら、今度はわたしが助けるんだ。

「そういえば、ずっと聞こうと思ってたコトがあるノ」
「なに?」
「ミイちゃん、小さいトキ、溺れたコトある? 海で」

 ドキッーーとして、頭の中に映像が浮かぶ。青い水の中で、手を伸ばす小さなわたしと、すべてが輝いている神様。
 がっしり手をつかんで、ギュッと抱きしめられた。そしたら、わたしの体もほんのりと光り出して……。
 それから、どうなったんだろう。よく、思い出せない。

「あ、あるよ。なんで?」

 いきなり質問されたから、動揺しちゃった。そんなことを聞いて、なんの意味があるんだろう?