幼馴染×存在証明

会場に戻ると、イベントは終わっていたようで、生徒たちは皆仮面を外していた。


どうやら今は余興の時間のようで、皆は舞台の方を見て笑っている。


私は日凪先輩の手を引いて、邪魔にならないよう空いていた席まで移動し、並んで着席する。


「涼、さっきの、何?」


着席してしばらく経ったところで、日凪先輩がそう口にした。


未だ握られている手に、キュッと力が入っている。


「副会長のことですか?

彼が困っていたところに遭遇して…」


先ほど副会長が言った嘘を、準える。


「それはさっき聞いた。

あいつとは初めて会うの?」


あ、あいつ…


副会長をあいつ呼ばわりするとは、何か気に障ったのだろうか。


驚きながらも頷く。


すると日凪先輩は私の頬に手を当てる。


「顔熱い…」


やばい、お酒を飲んだからだろうか。


酒臭くないと良いのだけど。


日凪先輩の手がひんやりと私の頬の熱を冷やしてくれる気がした。


「ずっと探してた」


そう呟く先輩に、申し訳なさがどんどん募る。


「連絡先教えて」


少し拗ねても見える日凪先輩は、少し強めにそう言った。


慌ててハンドバックの中のスマホを取り出し、日凪先輩に渡す。