幼馴染×存在証明

(でも…)


何だろう、2人とも充分に強い。


ラリーを続けながら、私は違和感を感じていた。


(アスカの球のが、怖かった…)


アスカのゲームスタイルは、テニスに限らず、その場を支配し相手を動けなくする。


でも今は、身体が軽い。


(まだまだ全然、いけるかも)


パァン‼︎


「ッ‼︎」


私が跳ね返したボールを東雲先輩が驚いた表情で受ける。


再び跳ね返ったボールは、遥の方へ飛んで行く。


「遥ッ‼︎」


「ッらぁー!!!!!」


バコン、と遥が渾身の勢いでボールを弾いた。


ボールは再び東雲先輩の方へ飛んで行くが、東雲先輩は顔を顰めたまま動かない。


(…‼︎まさか、)


佐倉颯も気付いたようで、東雲先輩の前へと走り出すも、ギリギリのところで、届かない。


「涼香・遥チーム、勝利‼︎」


審判の声が響いた。