社長の説明があった翌日。
十条不動産から専務が今後の説明にやってきた。
専務はまだ20代後半だが実力を認められて抜擢されたと噂の人物だ。
そして財閥系の十条家御曹司だと皆が噂している。
専務は秘書の男性と共に事務所に入って来た。
その瞬間、専務のルックスとオーラに圧倒される。
まるで俳優のような整った顔立ちに高身長。
仕立ての良さそうなスーツをさりげなく着こなしている。
眉目秀麗とは彼のような男性を言うのだろう。
「初めまして、私は十条不動産の十条篤志です。今後は皆さんと同じ会社仲間となりますのでよろしくお願いします。」
楓はその名前を聞いて息が止まるほど驚いていた。
(…まさか…あの…あっくん!?…)
そんな楓に友人の 田口 理恵子が耳元で小声を出した。
「めっちゃカッコいいよね…それに専務で御曹司なんて最高じゃん!」
「う…うん…そ…そうだね。」
理恵子は楓の様子を見て怪訝な表情をする。
「楓どうしたの?イケメン過ぎて緊張でもした?」
「そ…そんなこと…ないよ…」
(…大丈夫。私のことなんて覚えているわけないよね…)



