楓は自分の部屋の様子を見て、脚がふるふると震えるのだった。
「酷い…いったいなぜこんなことに…」
あっくんは怯える楓の肩に手を置いた。
「楓、大丈夫だよ。俺達が君を絶対に守るよ。」
楓は小さく頷くと、部屋の中へと進んで片付けを始めようと床に落ちている物を拾い始めた。
すると、あっくんは楓の後ろから声をあげた。
「楓、ここは危険だから俺のマンションに来てくれ。」
楓は驚いた表情で振り返った。
「あっくんにそんな迷惑はかけられません。私は大丈夫です。」
「今回は伊織が気づいたから良かったが、またいつあいつらが来るか分からないし、ここに居るのは危険すぎる。」
伊織も大きく頷いた。
「そうですよ。次は何をするか分かりませんからね。」
「これも、純玲たちの嫌がらせでしょうか…」
あっくんは楓の頭に優しく手を置いた。
楓はその時に昔の事を思い出していた。
幼い頃もいじめっ子にあった時など、あっくんが助けてくれて楓の頭を優しく撫でてくれたのだ。



