「楓!!大丈夫か!」
それから10分も経たないうちにあっくんがアパートにやってきた。
急いで駆け付けてくれたのだろう肩で息をするほど息を切らせている。
「はい、伊織君のお陰で助かりました。」
あっくんは楓に近付くといきなりハグをした。
楓は突然のことに顔から火が出そうだ。
「無事でよかった。心臓が止まるかと思うほど心配したよ。」
すると伊織は二人に向かって真顔で話始めた。
「二人とも感動している場合では無いですよ。楓さんの部屋の様子を見にいきましょう。」
伊織に促されて3人は楓の部屋へと向かった。
ドアのカギは開けられたままになっている。
部屋に入ると玄関の靴箱までも開けたままにされていた。
そして玄関から部屋に入ってみると、リビングの窓ガラスは割られており、戸棚などすべて開けたままにされていた。
クローゼットの服もどかして楓を探したのだろう、洋服も無残に投げ出されていた。
部屋の中はもうめちゃくちゃになってしまっている。



