クズ彼氏の甘く危険な呪縛


「……疲れた」


あの時と同じように、ぽつりと呟いて、ヨリの肩にもたれかかる。


「……ぇ……レオ……?」


困惑した声を無視して、まぶたを閉じる。

ヨリの温度、震え、泣き声――全部が、俺を正気に戻す。

そうだ。お前に俺しかいないように、俺はお前しかいらない。
いい加減自覚しろよ、馬鹿ヨリ。

――ああ、最悪だ。
傷ついてたなんて、今さら自分で気づくなんて。
拒絶された――ただそれだけで、ぐちゃぐちゃになってた。

迫りくる眠気に、らしくない考えが浮かぶ。

ヨリ、俺の、ヨリ。
可哀想で、可愛い、何も知らない――俺の……。

クソ共が……ヨリは、俺のもんなんだよ。

口元が、微かに歪む。

そのまま、深く、眠りについた。