低く仕打ちをして歩いていると、前から聞き覚えのある声がした。
「おー、レオじゃん。まだ生きてたんだ?」
目の前にいたのは、高校の頃の取り巻きだった連中だ。
カーストの上っ面でイキってたガキども。今は大学生か、フリータか、なんでもいい。どうせロクなもんじゃねぇ。
「また女泣かせてんの? 昔みたいにさ~」
「どうせ、あの地味な女、まだ囲ってんだろ?」
ニヤついた顔。
ケタケタと腐った笑い声。
……あー、うるせぇ。
煙草をくわえたまま見下ろしてやると、笑い声がピリついた空気に変わった。
――馬鹿共が……これくらいでビビるなら最初から話しかけんじゃねぇよ。
煙を吐き出して歩き去ろうとした、その時――肩を強く掴まれた。
