「ご、ごめんなさい……っ、ごめんなさい。――捨てないで、レオくん……!」
嗚咽を漏らしながら、謝り続ける私をレオくんはそっと抱きしめた。
「捨てるわけないだろ?ヨリは俺の可愛い彼女なんだから。だから……俺以外、見んな。喋んな。触んな。――できるよな?」
頭の中の冷静な部分が、返事をするな、と言う。
だけど――
「う、ん。する、約束、します……っ」
私は自分の意思でレオくんという名の、檻の中に入る。
例え、これが間違いでもいい。私にとってレオくんは……特別な、初めて愛してくれた人だから。
「ん。いい子。……場所、移そうか」
――――――――
レオくんに手を引かれて向かったのは、こないだの空き教室だった。
取り巻きの人たちがいないことに、安心していると、レオくんが椅子に腰かけて手を広げた。
「ヨリ、おいで。抱きしめてやるから」
ふらふらの足で、近くに行くと膝の上に乗せられ、強く抱きしめられる。
力の入らない腕で私も抱き着くと、耳元で嬉しそうな笑い声が聞こえた。
痛いくらいの幸せに、また涙がこぼれて、レオくんのワイシャツに染みる。
「まだ、泣いてんの?」
抱きしめていた腕を解放して、レオくんの手が私の顔を包みこむ。
「ハッ、いー……顔してんなァ」
鏡なんか見なくてもわかる。目は腫れて、鼻は赤くて、ぐちゃぐちゃ。
だけど、そんな顔を見られてるのに――嫌じゃない。
見ないで、でも見ていてほしい。そんな矛盾が、胸の奥でひりついた。
嗚咽を漏らしながら、謝り続ける私をレオくんはそっと抱きしめた。
「捨てるわけないだろ?ヨリは俺の可愛い彼女なんだから。だから……俺以外、見んな。喋んな。触んな。――できるよな?」
頭の中の冷静な部分が、返事をするな、と言う。
だけど――
「う、ん。する、約束、します……っ」
私は自分の意思でレオくんという名の、檻の中に入る。
例え、これが間違いでもいい。私にとってレオくんは……特別な、初めて愛してくれた人だから。
「ん。いい子。……場所、移そうか」
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レオくんに手を引かれて向かったのは、こないだの空き教室だった。
取り巻きの人たちがいないことに、安心していると、レオくんが椅子に腰かけて手を広げた。
「ヨリ、おいで。抱きしめてやるから」
ふらふらの足で、近くに行くと膝の上に乗せられ、強く抱きしめられる。
力の入らない腕で私も抱き着くと、耳元で嬉しそうな笑い声が聞こえた。
痛いくらいの幸せに、また涙がこぼれて、レオくんのワイシャツに染みる。
「まだ、泣いてんの?」
抱きしめていた腕を解放して、レオくんの手が私の顔を包みこむ。
「ハッ、いー……顔してんなァ」
鏡なんか見なくてもわかる。目は腫れて、鼻は赤くて、ぐちゃぐちゃ。
だけど、そんな顔を見られてるのに――嫌じゃない。
見ないで、でも見ていてほしい。そんな矛盾が、胸の奥でひりついた。
