クズ彼氏の甘く危険な呪縛

「ヨリ……ほんもの……? 生きてる……?」


震えながら、血まみれの手で顔を包まれ、こんなことが前にもあったことを思い出す。


「あたりまえだよ……私は、ここにいる。ちゃんと生きてるよ」

「よかった、よかった……。起きたらいなくて、スマホも置いてあって、俺……全部ダメになったのかと思って……」


私のせいだ。
スマホを忘れた。何も伝えずに、突然いなくなった。
私にとっては“帰るつもり”だった——ただの一時的な外出。
けど、そんな都合のいい“つもり”、レオには何の保証にもならなかったんだ。


「ごめん……ごめんなさい、レオ……私、レオを置いていったわけじゃないの……違うの……!」

「……ヨリがいなくて……悲しくて……寂しくて……絶望しかなくて……死ぬかと思った……」


嗚咽混じりの声に、私は力いっぱいレオを抱きしめる。


「捨てるわけない……。私、レオがいないと……」


言いかけた言葉を、彼の声がかき消した。


「まだ……ヨリは俺の、だよな?」


涙に濡れた目で、私の答えを待っている。