クズ彼氏の甘く危険な呪縛



――――――


「遅くなっちゃったな……」


独りごとのように呟いて、私はアパートの階段を登る。
レオはもう起きてるだろうか? それとも仕事に行ってしまっただろうか?
スマホはうっかり忘れてしまったから、確かめる術はない。
でも、今日は……いい報告ができる気がしていた。だからこそ、少しだけ胸が高鳴っていた。

けれど。

一段、一段と登るたびに、胸のざわつきが強くなっていった。
同じ景色、同じ風なのに、空気がひやりとしている気がする。
最後の段を上がり、部屋のドアノブに手をかけたとき——その手が微かに震えた。

まるで、中で何か“悪いこと”が起きているような気がして。

喉の奥がつまるような感覚のまま、ごくりと唾を飲み込み、そっとドアを開ける。


「なに……これ……」


まず飛び込んできたのは、荒らされた玄関だった。
靴は無造作に投げ出され、床には袋やゴミが散らばっている。

そして、リビングに目を向けた瞬間——