「……具合が悪いんじゃなくて、よかった、です」


困ったように呟く私の言葉に、彼は少し戸惑ったように眉を下げた。


「ヨリさん……急に辞めちゃったから。
もしかして、あの日……俺のせいかもしれないって、ずっと考えてて……」


申し訳なさそうに、声を落とす。

慌てて私は首を振って、手を振った。


「ち、ちがうの。あの日のことは……その、驚かせてごめんなさい……。私、ちゃんと謝れてなかったから……」

 
謝ってるのは私なのに、彼の顔はますます苦しげになっていく。


「……ヨリさんが謝ることなんて……!そんなの、ないよ」


唇を噛んだ佐久間くんが、一拍おいて、絞り出すように言った。