ピンポーン、と。


久しぶりに聞く音。
この家に誰かが来るなんて、もう、ないと思ってた。

心臓が、ひとつ跳ねる。
誰……?
でも、動こうとは思えなかった。

レオにもしも誰かが来ても出ちゃだめだよ、そう言いつけられていた。

きっと宅配便か、なにかの間違い。
だから、聞かなかったふりをしてソファに横になった。

なのに、また。


ピンポーン


胸騒ぎがした。
これに出てはいけない。

だから、見るだけ。