クズ彼氏の甘く危険な呪縛

私の言葉でレオの目が、一瞬で”優しい”ものに戻る。
私の傷を確認するように、指で優しく頬に触れた。


「でも、ヨリが……俺のヨリが、俺のせいでアイツのせいで傷ついた……っ」


まるで、自分が殴られたみたいに、レオの声は震えていた。


「……気にしてないよ、心配してくれてありがとう。……あの、大丈夫ですか?」


地面に倒れ込んでいる女の人に、ハンカチを差し出す。
泣きそうな、悔しそうな顔で私とレオを見ると、彼女はそのまま走って去って行ってしまった。


――どこか、ホッとした。


”レオが守ってくれた”

そんな感情が胸に残った。


「……ヨリ、ごめん。ごめんなさい……捨てないで、ヨリ。お願い……」


震える声で何度も謝る彼に、私は微笑んで首を振った。


「大丈夫だよ……。ね、もう帰ろう?」


周りには人が集まっていた。
騒ぎの中心にはいつまでもいたくない。

わたしはそっと、レオの手を引いた。
その手は、さっきまで暴力をふるっていた手とは思えないほど、優しく、私の手を包んだ。