びくりと、肩が震えた。
怒らせたのかと思ったから。
でも、違った。
低く、掠れた声。
怒ってるんじゃなかった。責めてるわけでもなかった。
ただ、怯えてた。
「なんで……そんなこと、言うんだよ。ヨリ……愛してる。愛してるよ。なぁ、ちゃんと謝ってもないのに。まだなにも……してないのに……!」
レオの目が真っ赤になっていく。
ゆっくりと、崩れるように、膝をついた。
「お願いだから……そんな声で俺を拒むなよ……ヨリ」
私の名前を呼ぶ声が、震えていた。
まるで壊れた子供みたいに。
「俺、何でもする。なんでも、するから……。謝るから、土下座でもなんでもする。靴だって舐めるし、なんでも言うことだって、聞くよ……?お願いだから……見捨てないで……!」
手が伸びてきて、私の裾をぎゅっと掴む。
「お前がいないと、何もできねぇんだよ……ずっとそうだっただろ? 俺、ずっと、お前のことしか……見てなかった。ヨリがいないと、もう……わかんなくて……怖くて……!」
声が掠れる。
目を伏せても、涙の音が聞こえてくる。
